ドナルド・トランプ氏とカジノの歴史

ドナルド・トランプ氏は、米国で最も物議を醸してきたビジネスマンの一人であり、”元”米大統領でもあります。私生活とビジネスともに、スキャンダルが多い人物であり、人々の関心を集めてきました。最も注目を集めた話の一つは、カジノの購入です。

カジノの買収

トランプ氏のカジノの買収は、もうかなり昔となる1980年代に始まりました。当初の計画では、自分のカジノを建設し、オープンする予定でした。

しかし、トランプ氏が1984年に「ホリデイ・イン・カジノ・ホテル」を買収し、わずか2年後に、大株主になったため、当初の計画は中止になりました。これにより、ホテル名を「トランプ・プラザ・ホテル・アンド・カジノ」に変更することができたのです。

トランプ氏の”暴走”は、そこでは止まりませんでした。同じ時期に、彼はさらに2つのカジノ、「ザ・アトランティック・シティ・ヒルトン・ホテル」と「タージ・マハル」を計5億5500万ドルで購入しました。そして同様に、それぞれのホテル名を「トランプ・マリーナ」と「トランプ・タージ・マハル」に改名したのです。

その後、トランプ氏は、また別のカジノを買収しました。カリフォルニア州コーチェラにあるSpotlight 29 Casinoです。

財政難

トランプ氏が所有するカジノには、これまでに財政難に陥ったこともあり、まるで山あり谷ありのような経営だと言う人もいるかもしれません。彼のカジノは、1991年、2004年、2009年、2014年の4度も破産を申請しています。

 

財政難の中でも飛び抜けて最悪だったのは、2009年です。当時、12億ドルという驚異的な負債を抱えました。これほどの債務を抱えた会社が、一体どのように復活するのか、という疑問が投げかけられました。

幸いなことに取引が成立し、投資家による合名会社が会社を引き継ぎました。トランプ氏には5%の株式を与えられ、さらに、トランプ氏の名前をホテル名に使い続けるために、もう5%が与えられました。

売却の試みと現状

トランプ氏は、財政難を乗り越えた後の数年間に、いくつかのカジノ資産を売却しようと試みました。しかし、抵当権に関する問題のため、売却は成功しませんでした。

今日、トランプ氏は、これらのカジノにほとんど関与していないため、激しかった経営は静まり始めています。基本的には、彼の名前の使用とブランディングに依るものなので、それ以上の関与はありません。その主な理由としては、トランプ氏が政界に進出したことが挙げられます。

トランプ氏は、もはやカジノ経営者ではありませんが、カジノ業界にはかなりの痕跡を残しました。彼の名前は、今でもアトランティックシティのカジノ施設の代名詞となっています。ニュージャージー州のカジノに革命をもたらした人であり、忘れ去られることはないでしょう。

もちろん、トランプ氏によるカジノ経営が終わったというわけではありません。政治家としてのキャリアが終わった今、彼はカジノビジネスに復帰することを検討しているかもしれません。