謎の円盤UFO /1970
『スティングレイ(トニーの海底大戦争)』『サンダーバード』『キャプテン・スカーレット』『ジョー90』と、子ども向け特撮人形劇を作ってきたジェリー・アンダーソン初の人間が演じるTVドラマ。
タイトルの『謎の円盤UFO』の原題は『UFO』。日本にUFOという言葉を広めたのはこの番組だろう。当時はユーフォーではなく、ユー・エフ・オーと発音していた。
未確認飛行物体に《謎の》を重ねるのはヘンだと突っ込む向きもあるが、『特別狙撃隊 SWAT』同様、聞き慣れない英語に訳語を並べたのだろう。 それをいうなら、本作品の《UFO》は円盤には見えない。その独自のデザインセンスがこの番組の真骨頂だった。
オープニングはバリー・グレイ作曲のテーマソング(スパイ大作戦と混同しそうになるが・・)をバックに、設定を紹介する映像が流れる。
1980年、すでに人類は地球防衛組織SHADO(シャドー)を結成していた。 SHADOの本部は、イギリスのとある映画会社の地下深く秘密裡につくられ、 沈着冷静なストレイカー最高司令官のもと・・・ SID、コンピューター衛星。このSIDがUFO侵入をキャッチすると、ただちにSHADO全ステーションに急報・・・
電動タイプライターが説明文を打ち出していき、矢島正明が読み上げる(本国版にナレーションは無い)。
設定は近未来で、SHADOの装備や衣装が大人っぽくて格好良かった。ストーリーも大人向けで、主人公のストレイカーは組織を一歩出ると家庭に問題を抱え、作品全体には暗いムードが漂っていた。
放映時期に小学六年生だった私が一番憧れたのは番組中のメカではなく、オープニングの電動タイプライターだった。ボール状の印字ヘッドが目にも止まらぬスピードで回転し、文字を打ち出して行く光景に驚愕したものだ。
当時、卒業文集委員だった私のカルチャーショックはひとしおだった。ガリ版に代わるものとして導入されたファックス(電話回線用のファクシミリではない)という最新鋭機械で孔版を作っていたのだが、所詮、原稿は手書きで、印刷は手動の輪転機だったのだ。
後に知ったのだが、番組に使われた電動タイプはIBMの『セレクトリック・タイプライター』という機種で、ゴルフボールのようなヘッドを交換することでフォント(書体)を使い分けられる、メモリーに文書を記憶出来る等、一世を風靡した機種だった。日本にも入って来たが、当時の為替レートでは、おいそれと手の出る価格では無かったそうだ。
アポロ11号(UFOの造形は帰還用カプセルに似ている)の月面着陸の記憶も醒めやらぬ頃で、アメリカは凄いなあ・・と思っていた・・が、『謎の円盤UFO』がイギリス作品だと知ったのは、UFOが日テレの特番でお茶の間の人気物、ユーフォーになり、カップ焼きそばに成り下がった頃だった。
《余談》
本編終了後に、小森のオバチャマの解説コーナーがあった。主演のエド・ビショップを熱く語る姿にちょっと引いたものだ・・ エドの三白眼気味の風貌は金髪の唐沢寿明といった感じだった。
裏番組は 『8時だよ全員集合』。弟にチャンネル権を奪われて全編観ることが出来なかった。
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▼UFO/1970
日本テレビ系 1970.10.3〜1971.3.27日
土曜日20:00〜20:50
番組提供:ソニー
▼オープニング画像
▼IBMセレクトリックのヘッド
▼エド・ビショップ
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