幼稚園児の頃に使っていた身近な雑貨。
印象に残っているのは、まずお弁当箱と箸箱である。 お弁当箱は女の子のイラスト付プラスティック製、イラストは当時は作者の名を知らなかったが、画風から察するに「わたなべまさこ氏」であったことは間違いない。 箸箱の方は、これぞ懐かしの「ブーフーウー!」。
この二つは幼稚園年長の頃、「サンタ」から貰ったものである。 確かに「アッコちゃんコンパクト」もしくは 「リカちゃん人形」を頼んだはずなのに、不思議な事もあるもので、始めは何かの間違いでは無いかと思った。
この素朴な疑問を母に何気なく尋ねたところ、一瞬、母は硬直した… 以後、クリスマスにプレゼントが届いたためしは無い… サンタにまかり間違ってもクレームなど付けてはいけなかったのである。 神(母)を敵に回すと恐ろしいと言う事を5歳にして悟る。
なにぶん田舎町の事ではあるし、これと言ったものは売ってはいない。 少し開けた地域へ出かけることも稀な時代である。
この他にキャラクターグッズと呼べるものと言ったら、薬局で貰う「ケロちゃん人形」と、十八銀行で当時、預金者に配っていた「ひょっこりひょうたん島」グッズ、僅かに水森亜土氏描くところ のイラスト付き文房具くらいのものであったか…
アニメキャラ付きの雑貨も少なく、月星シューズあたりに「サリーちゃん」が付いていた様な気もするが、ほとんどは描き手の知れないお姫様や動物・花などのイラストが主流であった。
その後、三年生あたりで「ニコニコマーク」ブームがきて、パンダちゃんもキャラになり、少しばかり華やいでくるが、まだまだ寂しい・・ 小学五年生でやっとサンリオのお出ましである。 発売当初は赤を主流とした「キティー ちゃん」が人気であった。
私のキティーちゃんとの最初の出会いは、こんなふうである。 ごくごくたまに連れていって貰える市内のスーパー。規模は小さいのだが、近辺では一番品揃えが豊富な場所である。 その一角に、ある時華やいで一際目を引く売り場が突然出現した。 サンリオショップである。
「その瞬間 私の足は 私の意志を離れて その華やかな売り場の中へと入っていったのです。」(石坂浩二のナレーションで) 右も左も、あふれる色彩と愛らしいキャラクターの山また山、暫し呆然…
あれを手にとり、これを手にとり、うっとりとしていたところへ、いきなり頭上からキンキンとした金切り声が降り注いだ。
「こんにちはーー キティーちゃん を 知っていますか?―――」 「キティーちゃんは 生まれたばかり おともだちになってね ーー!!!」
その瞬間、心臓はひっくり返り、両耳は完全に機能を停止した。 振り返ると、いかにも夢いっぱいのコスチュームに身を包んだおねーさんが二人、ステレオ・キンキン声発生装置と化して絶叫しているのである。
売り場内に客は私一人。私に向かって発せられた言葉であることに間違いなかった。 これまで、無愛想で質問すらまともに聞いてもくれない老人の店番に慣れ親しんだ身にとっては、このテンションの高さは、はっきり言って大変な衝撃であった。
すっかり怖気づいた私は、商品をもとに戻し逃げるようにその場を立ち去り、以後2 年間ほど、その売り場周辺には近寄れなかったのである。
で、実際に商品が手に入ったのは、中学になって、友人が誕生日プレゼントとして送ってくれた「パティー& ジミーの財布」が最初だったのである。 この時にもらった財布は、今でも田舎の家の私の机の引き出しに大切に取ってある。
いまは、もう無くなってしまった初期のサンリオキャラクター
「パティー& ジミー」…





