机まわりといえば、私の世代を挟んで前後数年で、これほど様変わりしたものも少ないだろう。 まずは私世代以前の机はどうだったか思い出してみる・と・・
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Update: Jul.2003
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ぽむぽむのなつかし日記 14
机まわりといえば、私の世代を挟んで前後数年で、これほど様変わりしたものも少ないだろう。 まずは私世代以前の机はどうだったか思い出してみる・と・・ |
![]() コラムニスト ぽむ 昭和39年 長崎生まれ。 元気いっぱいの女の子でした。動物・海・読書が好き。 |
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私が小学校入学以前、 近所に小さい子の面倒をとても良く見てくれる小学校高学年のお姉さんがいた。
ある日、お姉さんは遊びに飽きた私に「机を見に来る?」と誘ってくれた。 来春入学をひかえた私はそういった学用品に興味を示すだろうと思ったのだ。 お姉さんの家に誘われ、私は深く考えずなんとなく浮き浮きしながらついて行った。 そして、部屋ではなく家の縁側に通された。 なんと縁側の突き当りには、壁にピタリと付ける形で、今で言うところの文机が置かれていたのである。 壁にはプリントなどが画鋲でとめてある。時間割と言うらしき表、派手な布のこれまた派手な房飾りがついて、派手な絵のかかれたペナントと言うもの。絵柄は大仏だったり、五重の塔だったり・・・ 見るのも聞くのも初めてのお宝がぎっしりと詰まった、家の中の秘密基地さながらで、 「すごい すごい」と歓声を上げる私を見ながら、お姉さんは静かに微笑み、さらに机の上の物について説明してくれた。 まずは、鉛筆削り。青い色で手回し式。今も現役で売れつづける長寿商品である。 鉛筆を入れてハンドルを回すとシャリシャリと心地よい手ごたえがあって、暫く後にきっちりと削り上がった鉛筆が取り出される。 家ではカッターナイフで削っていたので、始めてみるその便利グッズにかき氷機のような楽しさを覚えた。 あとは、紐を引くと明るくなる電球タイプのスタンド。傘には美しい花模様があって、やさしいお姉さんにとても似合っていた。 他には、手作りの本箱が机の上に置かれていた。 「ここには 学校で使う教科書が置いてあるのだけど・・大切なものなので見せてあげられなくてごめんね」 お姉さんは、そういって微笑んだ。 続けて「代わりに引き出しの中を少しだけ見せてあげる」 そう言いながら、机の下にある引出しのうちの一つを開けてくれた。 「ここは勉強道具じゃなくて 玩具入れにしているの」そう言いながら、おねえさんは中を見せてくれた。 中はきちんと小箱で仕切られていた。 指輪やペンダントのはいったアクセサリーの箱。花や動物などの可愛いシール。小さい指人形。手紙、切手、リボン。 きらきらとした美しい小物が溢れ出した。 お姉さんはその中から一冊のノートを取り出して、白いページを広げ、線や丸などの幾何学模様を書き出した。幾何学模様は見る見るうちに姿を変えて、可愛いお姫様の絵になった。 お姉さんは、描きあがったばかりのその絵をノートから切り取り、その上に何枚かのシールを載せて折りたたんで、それらの全てをかわいいバンビの封筒に入れ、私の方に差し出し、「はい、これをあげる。もうそろそろ5時だから、きょうはこの辺にしてかえったほうがいいね・・」そういって、家まで送ってくれた。 このような 前置きがあって(おいおい、今までが前置きかい・・)、いよいよ机を買って もらう日が訪れた。 近所の家具店で母が選んだものは、文机では無かった。座布団ではなく、回転するタイプの椅子のついた、背の高い木の机だった。 「お姉さんの机に憧れていたけど、これはもっと凄いのではないか・・・」 スタンドは、蛍光灯で電球ではなく、鉛筆削りは出始めのナショナル電気鉛筆削り。 暗がりで鉛筆を差し込むとウイーンと音がして表面のミニライトが五段階で点滅し、 ブルーから黄色、黄色から赤へと点滅信号が変わり、研ぎあがりが表示される優れものだった。机の上にはグリーンと透明のシートの重なったものを置いて、その中に時間割や、写真やイラストなど挟み込んでおけるようになったいた。 私の喜び様は尋常ではなかった。机が家に届いた日、喜びすぎて回転椅子を回しつづけ、目を回し回転椅子から転げ落ちる羽目になったり、さらには自分と鉛筆削りを一緒に頭からすっぽりと毛布で覆って、昼なお暗い状態にしてから鉛筆を削り、中の暗がりで光の点滅を十分に楽しむ事となったのである。 しかし、その数年後、我が家へやって来た弟の机に比べれば・・・ 私の机などチャチであった。 弟の机・・・それは、かの一斉を風靡した「コイズミ学習机」である! 若い人は知らないかもしれないから一言ことわっておくが・・ これで勉強すると末は総理大臣になれるのである。 どうだ!凄いだろう!(ってウソウソ・・・) これは、凄かった・・・どこがどう凄いって・・子供の喜ぶツボすべて抑えてあるのである。 机が本棚と一体化していた・・更にライトも電気鉛筆削りも・・時間割に万年カレンダー 、 貯金箱にペンケース・・ありとあらゆる机周りグッズは既に装備されていて、どの装備もボタン一つで飛び出したり、はたまた、点滅したり回転したり開いたり閉じたり・・・ まるで、巨大合体ロボのコクピットさながらの佇まい。いや、堂々としたものである。 そのまま、机から合体ロボットへと変形し宇宙空間へと飛び立ちそうな勢いであった。 これほど、勉強本来の目的から離れ・・こどもの心を遊びへと誘う画期的な勉強机を手に入れた世代もなかったろう・・・ |
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