ヤマネコのまんが悪役列伝
プリンス・シャーキン 〜勇者ライディーン
前々回のハンス・エンゲルと同じように、ヒーローと同じくらいの年齢(っぽい)。 前回のベルク・カッツェと同じように、マスクで顔を隠し、マントを付けたヒール。「勇者ライディーン」は、東映の「マジンガーZ」に対抗して東北新社が作った巨大ロボット・アニメである。 一万二千年の封印を解いて、悪魔大妖帝国が復活。 それを阻止するため、勇者は目覚める。 ムー帝国の末裔、ひびき洸。 乗るというより一体化するロボットは、神秘の力を秘めたライディーン。 このネーミングは、江戸時代の相撲取り・雷電から取ったもの。 頭に日本風の兜をかぶり、あごに古代エジプト風のひげを付けた和洋折衷のロボットは、マジンガーZより格段にお耽美だ。 なにせ口がある! (マジンガーZもあることはあるけど、口と言うよりルストハリケーンの噴出し口ですわな) その口からは、敵にやられるたびに神谷明さんの声で色っぽいうめき声〜。 マジンガーの機械的な合体とは違い、ライディーンの身体の内部へゆっくりと入り込んでいく洸のフェード・インは、とっても気持ちよさそう。 世は“モーレツからビューティフル”への時代。 敵のプリンス・シャーキンもスマートでビューティホ〜\(^0^)/ 長身をさらに際立たせる背の高い冠。 さながら今、不二家でキャンペーンをしている“ペコちゃん・ポコちゃんシェフバージョン人形” しなやかな動きにあわせて揺れる長いマント。 髪型はキュートなおかっぱ〜。 そして、極めつけは真っ赤なミニスカート!! ひしきまったフトモモを惜しげもなくさらしてくれている。 これが女性キャラだとお約束でパンチラがあるんだけどな。 残念ながらシャーキンにはなかった。 男女差別、はんた〜い! ん?下は何を穿いていたのだろう? 古代エジプトのファラオの服がモデルらしいけど、どんな下着だったのか…。 穿いてないってのもアリだわね。 ここは意表をついてフンドシだったりして〜。(^_^; 普段はそういう王子様スタイルだったのだが、一度だけ学生服姿を披露してくれたことがある。 第9話「恐怖!マンモーの冷凍作戦」。 度重なる部下の失敗に苛立ち、自らの出撃を決意。 (…ったって、たった8回じゃないの〜。普通?は何十回も失敗続きなのが悪役よ〜) 洸の通う学校へ、転校生として現われるシャーキン。 (名前は砂場金吾…まあ、何と言いましょうか、ちょっとイヤンだわ) 真っ赤な高級車で洸の乗るバイクを蹴散らしての登場。 詰め寄る洸に「きみ、暴力はよくないね」と冷たく言い放つ。 アンタに言われたくないだろうなぁ、洸も。 だったら化石獣など使わず、話し合いで妖魔帝国を復興したまえ。 さて、私の主観によるこの回のハイライトシーンは、校庭でのサッカー。 洸が仲間とサッカーをしていると、「玉転がしですか」と挑発。 負けん気の強い洸をその気にさせて一対一の勝負へと持ち込む。 学生服を脱ぐと、むっちりたくましい胸板。 まわりにいたチームメイトの目は「うお?」っと釘付け。 (着痩せするタイプだったのね〜) 洸は頭の中で自分の胸と比較したかどうかは知らないが、シャーキンの威圧感を払いのけてゴール前に立つ。 まず1球、シャーキンが普通に蹴ったボールは、洸に受け止められる。 そこでシャーキンは大魔妖帝バラオに祈り、ボールに悪魔の力を宿らせる。 (ずるいぞ〜) 何球も連続してボールに打たれた洸は片目を痛めフラフラ。 そこで化石獣・マンモーをライディーンと戦わせる… 詰めが甘いなあ。 ゴール前で倒れている洸を立ち上がれないくらいにしておけば後々簡単だったような気がするのだが。 まあ、これは言わないお約束。 「ひびき洸、頭も悪い、運動神経も私の敵ではない。」 でも、例によって負けちゃう〜。 そう言えば、ガッチャマンで総裁Xが「科学力では上なのに、なぜ勝てぬのか」って悩んでた。 それがヒールの定めなのよ、うるうる。 ところで、設定ではシャーキンは洸と血縁関係があるとされていたらしい。 それを掘り下げることもなく、27話で中盤の物語盛り上げのために倒されてしまったけれど。 そのへんは後の作品「ボルテスV」に受け継がれているように思う。 でも、だったらシャーキンもライディーンを動かすことができたかもだわ。 ムーの血がライディーンと一体化できる条件だとすれば。 見てみたかったなあ、フェード・インするシャーキン。 また、市川治さんの声が良かった。 「スーパージェッター」の声と同じ人だが、見事に正反対の悪のキャラクターを演じきった。 この後、市川治さんは「コンバトラーV」のガルーダ、「ボルテスV」のハイネル、「ダイモス」のリヒテルと立て続けに美形悪役の声をあて、その魅力を存分に発揮してくれた。 |
![]() Author :ヤマネコ ヤマネコ改め、ちとせさんのブログへ>> ▼勇者ライディーン ![]() 放映期間 :1975年4月4日〜1976年3月26日 放映話数 :50 放送時間 :19:00 〜19:30(金) 放送局 :NET〔現・テレビ朝日〕 制作:東北新社、旭通信社、日本サンライズ(協力) ![]() ▼タイアップ 日本ではじめて玩具メーカーと本格タイアップした作品。 ▼ひびき洸 ムーの国王『ラ・ムー』の娘・レムリアと、神秘のエネルギー“ムートロン”を研究していた科学者・ひびき一郎の間に生まれた主人公。 古代ムー文化の遺産であるライディーンにフェードインする力を持ち、大帝バラオ率いる妖魔帝国巨烈獣軍団に立ち向かう。 ▼ラ・ムー 人には誰でも忘れたい過去がある。 菊池桃子@追い鰹のロックバンド。 デビュー曲は「愛は心の仕事です」。 ▼シャーキン ![]() ▼ショーグン・ウォリアーズ ライディーン、コンバトラー、ダンガード等が活躍するアメリカンコミックス。 ストーリーはオリジナル。(操縦するパイロットもオリジナル。) ▼雷電 明和4年(1767)に、信濃国小県郡大石村に生まれる。 体格は、身長7尺(約2.1m)から6尺5寸(約1.97m) 寛政2年(1790)付け出し関脇として土俵にのぼる。 以来、文化8年(1811)引退までの成績は、勝率9割6分2厘とも伝えられる。 ▼神谷明 バビル2世/1973.03.17 データベースを見る>> ▼着痩せするタイプ ![]() 私、脱いだら凄いんです。と言えば大藪春彦作品の主人公。 着やせするたちだ。 その姿を見ただけで女は立っていられなくなる。 ![]() フィギュア通販情報>> ![]() INDEX 【動物まんがまつり】 本編 フランダースの犬 【まんが悪役列伝】 ハンス・エンゲル ベルク・カッツェ プリンス・シャーキン 大将軍ガルーダ プリンス・ハイネル その後の美形悪役たち 【タツノコ『三悪志』】 プロローグ タイムボカン ヤッターマン ゼンダマン オタスケマン ヤットデタマン 逆転イッパツマン イタダキマン 怪盗きらめきマン 他の記事へ |