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Updated 2009/02/21
ヤマネコのまんが悪役列伝
プリンス・ハイネル 〜超電磁マシーン ボルテスV
タイトルからして、前作「超電磁ロボ コン・バトラーV」の焼き直しのニオイがプンプンするこの作品は、なかなかどうして始まってみたらすばらしかった。 “焼き直し”と言うより“洗練された”と言ったほうがいいかもしれない。

基本は同じである。

▼正義の味方は五人のチーム。
▽ 熱血…葵豹馬←→剛健一
▽クール…浪花十三←→峰一平
▽紅一点…南原ちづる←→岡めぐみ
▽チビ(←小さい子と言おう)…北小介←→剛日吉
▽デブ(←貫禄があると言おう)…西川大作←→剛大次郎
▼五台のメカの合体。
バトル1〜バトル5←→ボルトクルーザー〜ボルトランダー
▼敵は宇宙からやってきて、卓越した科学力を持っている。
キャンベル星←→ボアザン星
▼美形悪役
大将軍ガルーダ←→プリンス・ハイネル

違いはストーリー。1話完結の話の多かった「コンV」に比べて、「ボルテス」は企画の段階から最終回までのストーリーがきちんと作られており、伏線も多い。 また、第1回でメンバーが各メカに乗り込む時に「ボルテス」では誰が何号機という指示が出たり、声紋チェックなど気配りされている。

一応、メンバーの訓練も事前に行われていた。 戦闘機に乗るんだから、そんなことは当たり前だと思うでしょ〜。 ところがどっこい、「コンV」はおおらかと言うか行き当たりばったりと言うか、しっちゃかめっちゃかで健一が乗るバトル・ジェットも、まかり間違えば小介が乗ってもおかしくない状況のまま出撃したんである。

そして!なんと言ってもハイネルの美形度がガルーダより一段上なんであ〜る。 シャーキンやガルーダで、男の子の物と思っていたロボットアニメにも女の子のファンが付くと分かり、明らかに“狙って”出した罠=甘い蜜をたたえたウツボカズラみたいなもんやね。 狙いは当って、ハイネルは絶大な人気を誇った。

そうなりゃ視聴率は伸びて、スポンサーはウハウハ…になったのかな? だって、私はハイネルが大好きだけど、だからといってボルテスの超合金玩具を一万円近く出して買おうとは思わないも〜ん。 ライディーンなら買ってもいいと思うけど。 その差は何かと言われれば、(こっそり、ぼそっと)ボルテスってカラス天狗みたいな顔でかっこ悪いんだもん…。

Author :ヤマネコ

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dvd 超電磁マシーン ボルテスV - DVD情報>>

▼超電磁マシーン ボルテスV
放映期間 :1977年6月04日〜1978年3月25日
放映話数 :40  放送時間 :--
放送局 :NET〔現・テレビ朝日〕
制作:東映 東映エージェンシー(協力 日本サンライズ)




▼「ボルテスVの歌」
作詞:八手三郎 作曲:小林亜星 編曲:高田弘
歌:堀江美都子、こおろぎ'73、コロムビアゆりかご会

ロボット物のオープニングテーマを女性が歌ったのはこれが初めてでは? 作詞の八手三郎は個人ではなく、東映のスタッフのペンネーム。 作品によってメンバーが異なる。
ハイネルは美しい。 プリンスだけあって気品もある。 そして“不幸”である。 正統な王位継承者の息子でありながら、叔父の陰謀で父は処刑され(実は父親=ラ・ゴールは地球に亡命して、剛三兄弟の父となっていた)、母はハイネルを生むとすぐに亡くなっている。 叔父=ボアザン皇帝がハイネルを地球征服軍の総司令に任命したのも、日陰の身であるハイネルにチャンスをやったと言うより、戦死を願ってのこと。 実の父がボアザン星の地球侵略を予知して作ったボルテスと、知らずに戦い続ける悲劇。
しかも勝てないし〜。

最終回は、ハイネルを自分の息子と知り父の名乗りをする健太郎や、「兄さん!」と呼びかける健一に応えることなく、小さな声で「お父さん…」とつぶやいて炎の中に消えていくのである。うるうる…。

感動の最終回は、あちこちで語り尽くされている感があるので、ここでは第8話『地底城の陰謀』のストーリー紹介を。

しょっぱなから、今日も元気に獣士と戦うボルテス。 いつもの起承転結を無視した始まり方で新鮮だ。 「なにかあるで〜」(わくわく) そこに一台の円盤が現われる。 ボアザン皇帝ザンバジルの懐刀と言われるザキ侯爵である。 戦闘を中断して、ザキ侯爵を地底城に案内するハイネル。 ここでのザキとハイネル達のやりとりが、この回の見所!

「能無し、臆病者、うつけ」とハイネルを罵倒するザキ。 怒って剣を抜き、ザキに斬りかかるハイネル。 すがりついて止めるジャンギャル(ハイネルの忠実な部下)。

ジャンギャル「いけません、殿下」
ハイネル「離せ、ジャンギャル!」
ザキ「さあ、斬ってごらんになるがいい。斬りなされ、お斬りなされ〜ぇ」
ジャンギャル「でんかぁ〜〜〜〜〜」

“松の廊下”だあ〜。 こんなとこで時代劇が見られるとは、生きててよかった。

また、声優さん達のセリフまわしがうまい。 ちなみに、ジャンギャル役は飯塚昭三さん@「バロム・1」のドルゲなど。 ザキ役は大木民夫さん@「ルパン三世 ナポレオンの辞書を奪え 」のマルチンベックなど。

声優さんと言えばついでに紹介しておくと、ハイネルの部下・カザリーン役は、小原乃梨子さん@「ヤッターマン」のドロンジョなど。ザンバジル役は、寺島幹夫さん@「ガッチャマン」のベルク・カッツェなど。
▼ボアザン星
仏語で[Voisin] は隣人、他人。
SFアニメの敵は何故か旧ドイツ軍風の組織や名前が多い。 大抵、総統だし。
この作品の場合、珍しくラテン系の名前が多い。
ラ・ゴール、ロザリア、ズ・ザンバジル。
が、 ハイネル、カザリーンはドイツ語風。
カテリーナかカトリーヌなら分かるが…














▼ザキ
ザキ: 敵1人に死の言葉
ザラキ: 敵グループに死の言葉
ザラキーマ: 敵全体に死の言葉
(本文とは無関係)


▼市川 治
超電磁マシーン ボルテスV:ハイネル
超電磁ロボ コン・バトラーV:ケロッペ、ガルーダ、ワルキメデス
勇者ライディーン:シャーキン
ドカベン :アナウンサー、不知火
赤き血のイレブン:美杉純
魔法のマコちゃん:茂野アキラ
ひみつのアッコちゃん:佐藤先生
未来からきた少年 スーパージェッター:スーパージェッター
話が横道にそれそうなので、戻す… その場はカザリーンの懇願で事なきを得て、カザリーンと二人きりになったハイネルは、とつとつと生い立ちを語り始める。 父が大罪を犯したことで“裏切り者の子”と呼ばれ、嘲りと蔑みの中で育ったこと。6才くらい(?)のチビ・ハイネルちゃんの姿も拝める。

石を投げられ殴られても、唇を噛みしめてキッと顔を上げるチビ・ハイネルちゃんは、母性本能刺激しまくりのかわいさである。 こんな重い過去を背負ったら、ひねくれて星を睨みそうなもんだが、ハイネルは素直だ。きっと育てた祖父母がやさしかったんだろうな…などと思い馳せる私であった。

ザキ侯爵は、ハイネルを獣士ガルゴーに乗せ、ボルテスとの戦いで戦死させようと目論む。しかし、第8話で死んでしまうハイネルではな〜い。
ここで殺したら、大きいお姉さんたちから避難轟々なのは目に見えてるし。 結局やられてしまったのはザキ侯爵の乗る円盤でありました。

「ボアザン星へ使いの者を送れ。ザキ侯爵閣下は名誉の戦死をとげられました、とな」 悔しげに下を向き唇を噛んだあと、感情を押さえたセリフ。 それでも少し震え声。 市川治さん、うっま〜〜〜い! この一連の表情とセリフ、わずか1分たらずだろうが、ビッグガルーダ搭乗前のガルーダの長セリフよりずーっといい。こういった細かい演出も、「ボルテス」は「コンV」より洗練されいてると思う所以である。

今回、コラムを書くにあたって見直してみたが、いくつかの点(ラ・ゴールの卑怯者〜!とか、木から木へ飛び移る訓練がボルテス操縦に何の役に立つの?とか、幌馬車が出てきて時代はいつなの?とか、剣を使うボルテスなんだから健一より大次郎がクルーザーに乗ったほうがいいんでないの?とか、大次郎だけ九州弁なのはなぜ?とか、…イカン、止まらない)を除けば、すばらしい作品である。

余談であるが、この「ボルテスV」はマルコス政権下のフィリピンで放映禁止となっている。最終回でボルテスがボアザン星へ行き、角のある者=貴族=支配階級・角のない者=労奴=被支配階級というボアザンの身分制度を革命によって倒す…という図式が気に入らなかったのかどうか…?
▼チビ・ハイネルちゃん
クールなキャラの不幸な子供時代はお約束。 とはいえハイソだったり、お金持ちだったり。

▽花形満/巨人の星

▽速水真澄/ガラスの仮面



▼角のある者
古代シュメール神話では、頭に二本の角を生やした神々が天と海から現れたと伝えられる。 ヤハウェやゼウスには牡牛のような二本の角があり、牡牛の神として伝えられる。
▽アレキサンドロス・コイン

アモン神を信仰し羊の角を身につけていたという。


INDEX
【動物まんがまつり】
本編
フランダースの犬

【まんが悪役列伝】
ハンス・エンゲル
ベルク・カッツェ
プリンス・シャーキン
大将軍ガルーダ
プリンス・ハイネル
その後の美形悪役たち

【タツノコ『三悪志』】
プロローグ
タイムボカン
ヤッターマン
ゼンダマン
オタスケマン
ヤットデタマン
逆転イッパツマン
イタダキマン
怪盗きらめきマン

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