昭和30年代生まれに贈るオンラインマガジン
Update: Apr.2006
スタンド・バイ・ミー
私は12歳の時の友人に勝る友人を、その後持ったことがない。
---ゴーディ・ラチャンス
▼スタンド・バイ・ミー
THE BODY:スティーブン・キング著

スピログラフ 〜放課後の友〜

野菜、魚、豆腐・・行商が珍しくなかった頃。子供相手の行商も存在した。放課後に校門の近くで実演販売をやっていたのだ。 『ちびまる子』が騙されたアレである。

私が買ったのは『スピログラフ』のまがい物。その手の物は割高と相場が決まっているのだが、数百円のこれは良心的だといえた。今なら100円ショップに並んでいそうだが、セイコウ製の本物は『リカちゃんハウス』が980円の時代に1450円もしたのだ。

スピログラフは幾何学でいう内トロコイド図形。定円の内側を転がる円の内点の軌跡をさす。このオモチャはそれを描く為の定規だった。

8X15センチ位のプラスティックの板に歯数の違う内歯歯車が2つ並んでいて、移動する方の歯車が数種類セットついてた。歯車には穴がいくつもあり、そこに鉛筆やポールペンを挿して外側の歯に沿って動しながら図形を描いていくのだ。

実演販売のキモは商品の魅力をいかに雄弁に語るかだが、その露天商のサンプルは何色ものボールペンで描かれ、夢のような世界を展開していた。大急ぎで家へ帰り、小遣いを握りしめて駈けて戻った。

買って帰って早速試したのだけれど、綺麗に描くにはかなりの根気を要するし、家にあった色付きのボールペンは赤青黒の三色。サンプルには到底及ばず、すぐに飽きてしまった。

今でも電子ミシンの実演販売を見かけるとスピログラフを思い出す。魔法のように現れる刺繍を見つめるお嬢様方の目はあの日の私とおんなじだ。

▼スピログラフ・偽物


▼スピログラフ・本物




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