昭和30年代生まれに贈るオンラインマガジン
Update: Nov.2007
スタンド・バイ・ミー
私は12歳の時の友人に勝る友人を、その後持ったことがない。
---ゴーディ・ラチャンス
▼スタンド・バイ・ミー
THE BODY:スティーブン・キング著
徳用マッチ 〜コンロの友〜

「火の用心、マッチ一本火事のもと」は 昭和28年に誕生した東京消防庁の標語だそうだ。

なんとなく年の瀬が思い浮かぶのは、毎年11月に秋の全国火災予防運動が行われることに加えて、アンデルセンの『マッチ売りの少女』を連想するからだろう。

子供時代、仏壇が無く、煙草を吸う家族もいなかった私の家でもマッチは常に身近にあった。石炭で風呂を焚き、ガスコンロはマッチで点火していたからだ。

頻繁に使うものなので、当時はどこの家庭にも徳用サイズのマッチ箱があった。マッチを使うのが下手な子供が失敗しても、何度でも使わせてくれる包容力があった。

けれども、コンロに点火するのは恐くて、出来るようになったのは小学校高学年になってからだった。せっかく覚えた技術なのに、間もなくダイヤルでバチンと点けるガステーブルがやってきて、宝の持ち腐れになってしまった。

今ではマッチを使う機会はほとんど無くなってしまったが、『マッチ売りの少女』が灯した火の暖かさも儚さも、指先と掌が憶えている。
▼徳用マッチ

▼鋳物の一口コンロ



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