ひっつき虫とセイタカアワダチソウ 〜空き地の友〜
運動会も終わり、日が短くなる晩秋。 陽射しを惜しむように、暗くなるまで、ドッジボールや三角ベースボールに興じたものだ。
小学生時代の後半を過ごした土地は郊外のベッドタウンで、手付かずの空き地が沢山あった。ただし、大抵は鉄条網で囲まれていたので、舞台はもっぱら稲刈りの終わった田んぼかアパートの裏庭だった。
外れ玉をとりに鉄条網をくぐると、帰りにはお土産がついてきた。いわゆる「ひっつき虫」と呼ばれる植物の種だ。
「アメリカセンダンクサ」や「オナモミ」、「イノコズチ」。ウールのセーターや靴下によくくっついた。ジーンズやトレーナーが主流になった下の世代には、これほどくっつかなかったに違いない。
そこら中に生えていた「ひっつき虫」だが、いつの頃からか他の植物に置き換わっていった。帰化植物「セイタカアワダチソウ」だ。背丈は2メートルを越え、毒々しい黄色い花をつける。繁殖の勢いは凄まじく、マスコミで問題視されていた記憶がある。
「他の植物を植物を排除して生態系に影響を与える」、「花粉症や喘息の原因」と騒がれたが、「セイタカアワダチソウ」は虫媒花で、花粉が遠くへ飛ぶことは無い。今では濡れ衣だったとされる。
30数年後の今、かつての空き地には隙間無く住宅が建っている。 繁殖力は「セイタカアワダチソウ」の比ではない。