昭和30年代生まれに贈るオンラインマガジン
Update: Aug.2006
スタンド・バイ・ミー
私は12歳の時の友人に勝る友人を、その後持ったことがない。
---ゴーディ・ラチャンス
▼スタンド・バイ・ミー
THE BODY:スティーブン・キング著
老人と子供のポルカ 〜子供だましの友〜

ズビズバ〜 パパパヤ〜♪

椅子に腰掛けて歌う老人は俳優、左ト全。バックコーラスは幼い少女達。異様な光景だが当時は違和感がなかった。

前年に皆川おさむの『黒猫のタンゴ』がヒットして、「子供の次は老人」という流れに見えたからだ。左ト全にはTVのチャコちゃんシリーズ等で自分の親戚に思えるほど親しみがあった。

やめてけれ やめてけれ やめてけれ ゲバゲバ♪

当時は、『ケメ子の歌』や『帰ってきたヨッパライ』等のコミックソングが流行っていて、『老人と子供のポルカ』もコミックソングだと思っていた。

学生運動は既に下火で、ゲバといえば本来のゲバルトの意味を知らずに『巨泉・前武のゲバゲバ90分!!』を思い浮かべていた。

「やめてけれ」と 歌っているのは「ゲバ」「スト」「事故」で、良く聴けば、社会に対するメッセージソングの側面もあった。

ところが、中学に進学したある日。美術の先生が授業の合間の雑談でこう言った。「ゲバと事故は迷惑だが、ストは法律で認められた行為で、安易にやめてけれと歌うのは間違ってる」。

そう言われれば、たしかにその通り。仮にメッセージソングだったとすれば、老人と子供の影に隠れた姑息なやり方だ。多感な年頃の私は憤りを覚え、以来この歌を素直に聴くことが出来なくなった。

今から思えば、「ゲバ」、「スト」、「事故」は単に語呂合わせで、深い意味など無かったのだろう。子供と大人の間のハードルとなった想い出の曲だ。
老人と子供のポルカ
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