昭和30年代生まれに贈るオンラインマガジン
Update: april.2004
彼氏と彼女の住宅事情 〜70年代 愛の空間史〜
男がいて〜女がいて〜キスが出来るの〜

他には何も要らないのですが、今と違って人前じゃ…って時代でした。 恋する二人の部屋の変遷をタイムトリップしましょう。
▼歌謡曲
ここでは日本語で歌う曲はすべて歌謡曲として扱います。

▼男がいて〜
HOW!ワンダフル/倉田まり子
作詞・山上路夫/作曲・都倉俊一

ルームライト: 時/1973年 場所/タクシーの中

売れ始めた時に拓郎の金沢事件で事実上放送禁止になった、由紀さおりの不遇の曲。

「送られることにもなれてしまった」「もう話すことさえ辛い」二人の関係。

さて、舞台は「あなたが運転手に道を教え」るのでタクシーの中。

今回は歌詞の解釈が難しかったので、ある方との対談を掲載します。
(★が筆者)

★解釈が難しいですね。まず、二人の関係が見えない。 終わろうとしているのか? 終わろうとしているのなら、何故いっしょにタクシーで帰る? 泊まりに来て欲しくないから送り届けるのか? 職場が同じなんだろうか?

☆そういう微妙でアンニュイな歌詞が魅力だと思うです。 二人の関係は不倫の上司とOLってイメージかな? タクシーで毎回送るんだから、男性はお金持ちか経費で落せる人?
♪あなたが私の手を軽くにぎってくれる頃♪
別れ際に手を握るんだから、ダメにはなってないと思うんだけど。 でも、幸福な未来も見えないですね。
♪あの薬屋の角を左に曲がると♪
最初に聞いた時、なんてしつこい歌詞だと思った。 薬屋の角が3回も出てきて。

★♪薬屋の角♪
このフレーズが、身近な感じを与えてる気がします。 当時、コンビニなんて無かったので、遅くまで開いてるのは薬局くらいだったと思う。 道案内の目印としてリアリティーがある。
♪あなたが運転手に道を教え始めたから♪
私が黙っているから、あなたが道を教えるわけですよね。 教えることがわかってるから、黙ってる。 切ないですね。

☆私は少しでも長くあなたと一緒にいたい。 できることなら朝まで。 でも、あなたは事務的に運転手に道を教える。 男と女の間には、深くて暗い河がある。 でも、それを言ってしまったら、この二人は終わりなんでしょうね。 時間にすればわずか数分の日常のワンシーンを切り取っただけなのにせつなく、哀しい歌です。
♪もう送られることにも 慣れてしまった♪
ってとこが効いてますよね。 岡本おさみさんの詞はいつもそう。 最後のワン・フレーズで“ぐっ!”ときちゃう。
♪からっ風が吹いてゆく ひとつにゃなれない男と女(からっ風のブルース)とか、 ♪もうなにも考えまい 愛することのわずわらしささえ(蒼い夏)とか。

★「ルームライト」はエポックメーキングだったのかもしれません。 男と女の間の空気を描写してるけど、実は運転手がいて、二人きりじゃない。 それが、かえって寂しさを強調してますね。 ところで、男は彼女の家を知ってたのでしょうか? 『ローマの休日』の様に、「ここで停めて。行く先は見ないで。」 ってことだったかも知れません。

☆不審に思った男が女の後をつけていくと、 どんどん人家を離れ、森の中へと・・・ ふっと振り返ったその顔には目と口がない。 「み〜た〜な〜」

★オチは付きましたが、結論は出なかったですね。

「ルームライトにぼんやり あなたの横顔が見える」
夜間、室内灯をつけると前方の視界が悪くなります。路線バスなどの例外を除き、一般車は走行中に室内灯をつけてはいけません。
昭和30年代生まれに贈るオンラインマガジン
Since 25 Dec. 2001