昭和30年代生まれに贈るオンラインマガジン
Update: april.2004
彼氏と彼女の住宅事情 〜70年代 愛の空間史〜
男がいて〜女がいて〜キスが出来るの〜

他には何も要らないのですが、今と違って人前じゃ…って時代でした。 恋する二人の部屋の変遷をタイムトリップしましょう。
▼歌謡曲
ここでは日本語で歌う曲はすべて歌謡曲として扱います。

▼男がいて〜
HOW!ワンダフル/倉田まり子
作詞・山上路夫/作曲・都倉俊一

コーヒーショップで: 時/1973年 場所/コーヒーショップ

あべ静江のデビュー曲。

「古くから学生の街だった」。 歌い出しのバロック調のメロディと歌詞からガロの『学生街の喫茶店』を連想しますが、視線の先の時代が違います。

さて、舞台は学生街のコーヒーショップ。『学生街の喫茶店』が自らの1960年代の青春をふり返るのに対して、この曲のヒロインは70年代の今、昔話をするマスターに心惹かれています。 喫茶店ではなく「コーヒーショップ」なのが「時の流れ」を感じさせます。

「学生の街」のモデルは実在したのでしょうか? 作詞の阿久悠は明治大学卒ですから、お茶の水界隈のように思えますが、「城跡の石段」を江戸城址とするのは地理的に無理があります。

では、あべ静江の学生時代でしょうか? DJ時代に在学していた東海学園女子短期大学は、名古屋の学生街と呼ばれる場所からは遠く、その学生街も名古屋城址からは離れています。

敢えて心象風景とすることで、『学生街の喫茶店』にある60年代の名残りを払拭したかったのかも知れません。次のヒット曲『水色の手紙』にも生活臭はありませんでした。

ところで「マスターの 枯れた似顔絵」は水色の便箋に描いていたのかな?
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