岩崎宏美の『二重唱(デュエット)』に続くセカンドシングル。
あなたお願いよ 席を立たないで〜♪
さて、二人はどこに座っているのでしょうか?
「息がかかるほど側に」座るのなら、向かい合わせのレストランではありませんね。映画館か列車の横並びのシートでしょう。
そう、昔は二人掛けの椅子をロマンスシートと呼んでいました。ロマンスシートが流行語になったのは1948年で、『ロマンス』がリリースされた頃にはロマンスという言葉自体が死語になりかけていました。
何故、流行遅れの歌詞を岩崎宏美が歌うのかと言えば、作詞の阿久悠の青春がロマンスシートの時代だったからでしょう。当時の若者にはマイカーも無く、デートで二人きりになれる空間は同伴喫茶、映画館、そして列車のロマンスシートくらいだったと思います。
小田急電鉄の『ロマンスカー』が生まれたのは1957年。阿久悠の学生時代です。当時の箱根や江ノ島にはロマンスの香りがあったのでしょう。今の恋人達は人目をはばかることなく、「どこでもロマンスシート」状態ですけど・・
《余談》
81年の大橋純子の『シルエット・ロマンス』は、米・シルエット社のロマン小説『シルエット・ロマンス』のタイアップキャンペーンソング。81年当時はサンリオ出版が日本での版権を持っていた。現在はハーレクイン社のシリーズの一つとしてラインナップされている。