1978年。歌謡界に二羽のカモメが舞い上がりました。
ハーバーライトが朝日にかわる その時一羽のかもめが翔んだ♪
渡辺真知子の日本レコード大賞最優秀新人賞受賞曲『かもめが翔んだ日』と、
かもめはかもめ 孔雀や鳩や ましてや女にはなれない♪
研ナオコの日本歌謡大賞受賞曲『かもめはかもめ』です。
同時期の発表は時代背景がもたらしたように思えます。74年のベストセラー小説『かもめのジョナサン』が作詞家に与えたインスピレーションを、77年の「凍えそうなカモメ見つめ@津軽海峡冬景色」が呼び起こしたのではないでしょうか?
かもめはかもめ ひとりで空をゆくのがお似合い♪
ジョナサン・リビングストン・シーガルは「食べることではなく、飛ぶこと」に意義を見いだします。群から離れて孤高の存在にとなり、やがて仲間に理想を説くようになります。
『かもめのジョナサン』は発売当時、書店に山のように平積みされていました。オウム真理教の故村井秀夫は私と同世代ですが、出家の際に「これを読んでもらえば僕の今の心境はわかってもらえる」と母親に手渡したそうです。
カモメの2曲がヒットした時期に学生だった私は、カモメのマークのついた別の本に出会いました。リクルートセンター(現リクルート)の就職情報誌です。
企業ロゴがジョナサンに似たカモメでしたが、かの「リクルート疑獄」後に変更されました。江副元社長が服役後に出版したの半生記のタイトルは『かもめが翔んだ日』です。
時代はバブル期に向かっていました。