1970年代の映画鑑賞記。
当時の映画館でよく飲んだのはチェリオ(乾杯の意)だった。
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Update: Jun.2005
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スクリーンにチェリオ!
1970年代の映画鑑賞記。
当時の映画館でよく飲んだのはチェリオ(乾杯の意)だった。 |
記事は公開時の記憶を元に書いたものです。
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11歳のラブストーリー。 同時上映は『ペイネ愛の世界旅行』。 【ストーリー】 ロンドンの厳格なパブリックスクールに通うダニエル・ラティマー(M・レスター)とトム・オーンショー(J・ワイルド)は同級生。裕福な家の子ダニエルは気の弱い優等生で、貧しい家のトムはガキ大将。 何故か気の合う二人の間に隙間風が吹き初めたのは、ダニエルが他のクラスのメロディ(T・ハイド)を見初めてからだった。愛を育んだダニエルとメロディは教室で「ぼくたち結婚します」と宣言するが・・ 名作は時代も世代も超えて色褪せることはない。が、見る側には旬がある。その旬が短いのが『小さな恋のメロディ』だ。人生の『若葉の頃』を過ぎてから観るには、ある種の痛みを伴う。記憶の彼方へ置き忘れて来た物に、もはや手が届かない事を思い知るからだ。 11歳という年齢は人生で一番純粋な恋を経験する時期だ。「好きだから側にいたい」と願うだけで、想いが報われた先の事には思い至らない。『小さな恋のメロディ』は、その先へ少しだけ踏み出してみせた。 この年頃の女の子は、男の子より一足先に大人になる。ダニエルがノートに稚拙な裸の女を描いている間に、女の子達はミックジャガーの写真を練習台にキス談義をしている。 メロディがクズ屋から金魚を手に入れた時の“Ta”という英語は“Thank You”の幼児語で、彼女が幼い事を表しているが、宿題を忘れて呼び出されたダニエルを教室の外で待つメロディの表情は年上の姉さんのものだった。 ダニエルは自ら告白することなく、メロディから水を向けられる。 ビージーズの『若葉の頃』が流れる墓地のシーンで、 墓碑に「妻を50年間愛した」と書いてあるのを読む二人。 メ:50年に渡る幸せね。50年ってどんなかしら? (Fifty years happiness. How long is fifty years?) ダ:ん〜、休みをぬかして150学期だ。 (Er, a hundred and fifty school terms, not including holidays.) メ:そんなに長く愛せるかしら? (Will you love me that long?) ダ:(うなずく) メ:出来るの? (I don't think you will.) ダ:「もちろん。もう一週間も愛してる」 (Of course. I've loved you a whole week already, haven't I?) 手玉に取られている。 ダニエルを家に連れて行き家族に紹介するのも彼女だ。ダニエルがしたことといえば、良いところを見せようとして駆けっこで一番になったり、せっぱつまってトムにむしゃぶりついた事くらいだ。 ドラマは思春期を目前にした子供の世界をリアルに描いてみせるが、ラストは含みを持たせた、おとぎ話で終わる。 トロッコを漕いで旅立つ二人にトムはこう叫ぶ。「いいか、クラッパム駅で乗り換えるのを忘れるなよ!」。 かつて乗り換えるのを忘れた、否、トロッコに乗るにも至らなかった自分の『若葉の頃』が胸に甘く痛い。 下敷きになったのは制作者デヴィッド・パットナムの体験で、ロケは彼が卒業した学校で行われた。現実のダニエルとメロディは学校をエスケープした後に結ばれ、子供が出来る。 パットナムは生活を支える為にメッセンジャーボーイになる。やがて頭角を現した彼は映画の制作に乗り出した。 彼が『メロディ』に続いて製作した『ダウンタウン物語』は、登場人物が全て少年少女という異色のミュージカルだ。 青春の入口から一足飛びに大人の世界へ足を踏み入れた彼は、『若葉の頃』に置き忘れて来たものを映画で埋め合わせようとしたのかも知れない。 《余談》 英国でパブリックスクールと呼ばれるのは私立学校。制服のブレザー、ギンガムチェックのワンピース、横長のランドセルがお洒落だった。 50年で150学期というセリフがあるが、英国は9月に始まる3学期制で、秋学期(9月〜12月下旬)、春学期(1月初旬〜イースター休暇)、夏学期(イースター休暇〜7月中旬)。物語は夏学期が始まったばかりの頃ということになる。 |
![]() DVD 商品情報>> ▼Melody/1971 製作:デヴィッド・パットナム 監督:ワリス・フセイン 出演: マーク・レスター、ジャック・ワイルド トレイシー・ハイド ![]() ▲クズ屋の屋台には、交換用の風車や金魚が・・ ![]() ▲英国に金魚がいるのが不思議だった。 ![]() ▼メロディは馬の向こうの歩道にある、馬の水飲み場で金魚を放して泳がせた。今はプランターとして残っている。 フェンスに Lambeth Roadとあるが、ロケに使われた学校はこの近所にあり、現在はThe Marine Societyとなっている。建物はこちら>> ![]() Lambeth通りから、Kennington通りにあるパブへ向かうメロディ。 ![]() 父親がいるパブ(現存)の中を覗くメロディ。このシーンのあたりで、スクリーンの前の男の子は彼女の虜になっているはず・・ |
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