昭和30年代生まれに贈るオンラインマガジン
Update: Feb.2006
スクリーンにチェリオ!
1970年代の映画鑑賞記。
当時の映画館でよく飲んだのはチェリオ(乾杯の意)だった。
記事は公開時の記憶を元に書いたものです。

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ドラゴン危機一発|1974年4月鑑賞

ブルース・リーの初主演作。公開は遺作『燃えよドラゴン』が先だった。再映時(11月)の同時上映は『ドラゴン世界を征く』と『電撃ストーナー』。

【ストーリー】
血の気の多い青年チェン(B・リー)は田舎を離れ、製氷工場で働くことになる。その胸には母親が2度と喧嘩をしないように願をかけたヒスイのペンダントがかかっていた。

ところが、工場の裏の顔は町の有力者マイ(H・Y・チェン)が仕切る麻薬密売の本拠地。秘密を知った仲間が次々と行方不明になる。チェン達は情報を要求してストライキに入るが、鎮圧しようとするマイの部下との間で乱闘が始まる。傍らで静観していたチェンのペンダントが二つに割れた・・

遠慮せずに言えば、映画としては3流以下。蹴られて吹っ飛んだ人間の形に壁が抜ける場面に、子供の頃に観た*『柔道一直線』を思い出して情けなくなったが、それを補って余りあるのがブルース・リーのアクションシーンだ。
(*トニー・リュウ/劉永は『柔道一直線』の赤月にそっくりだ)

ブルースが前に出ると、それまでの凄惨な割にはコミカルなシーンの空気が一気に張りつめる。 後の作品では見られないナイフやトランポリンの使用が目立ち、『燃えよドラゴン』を観た後では少々期待はずれではあったが。

香港製ドラゴンシリーズの最大の難点は、敵のボスがそこらを歩いてるオッサンにしか見えないことだろう。香港映画は脇役やエキストラのルックスに気を遣わない事が多い。『ドラゴン危機一発』も同様で、敵のボスは有島一郎か三木のり平といった感じだった。

ラストの死闘が繰り広げられている*邸宅の外をバスや車がのんびり走っており、ディテールに拘らない鷹揚さがカタルシスを中途半端なものにしていた。
(*ロケ地はバンコク郊外)

とはいえ、既に故人であったブルース・リーの姿が見られるというだけで価値があったのも事実で、当時、これほど公開が待ち遠しかった映画も少ない。


《余談》
公開時は英語版で、堪忍袋の緒が切れた時のセリフはこうだった。
"All right ! Hold it ! You get out of here. I'm warning you !"
有名な怪鳥音(アチョ〜)はまだ無く、ビデオに入っているものは他の作品からの合成。

タイトルの「危機一発」の漢字表記は「一髪」が正しいが、あえて?「発」としたのは、『007 ロシアより愛をこめて』の初公開時の邦題『007 危機一発』にちなんだものだろうか?
ドラゴン危機一発
DVD商品情報>>

▼The Big Boss/唐山大兄/1971
監督: ロー・ウェイ
出演: ブルース・リー、ジェームス・ティエン
マリア・イー、ハン・インチェ、ノラ・ミヤオ
トニー・リュウ

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