物干し竿カバー
竹や〜竿竹〜
行商の売り声は昔と変わらないが、現在、商品としての「物干し竿」の主流は金属パイプで、竹竿は見かけなくなった。
「商品としての」と書いたのは、三菱樹脂の『物干し竿カバー』という商品が現役だからだ。自家製の竹竿が生き残っているのだろう。
製品名『菱チューブ』は三菱樹脂が製造する「ポリ塩化ビニル系熱収縮性チューブ」で、電気配線や建材等の被覆に用いられる。派生商品の『物干し竿カバー』は、昭和40年代の中頃まではポピュラーだった。
竹竿に『物干し竿カバー』を被せると、雨ざらしにしても表面が傷まず、長保ちする。当時はどこの家庭でも使っていたように思う。
私も母親が使うのを手伝った記憶がある。チューブに竿を通して熱湯をかけると、収縮して、ぴったりとした被膜になるのだ。さっきまで枯れた竹だった物が新品の工業製品に変身した。
かつて、プラスティック製品が高級だった時代があった。昭和32年に発売された積水化学の『ポリバケツ』(登録商標)には、結婚祝い向けのセットが用意されていた。 定番の水色は文化生活の色だった。
水色に変身した竹竿はずいぶんモダンに見えたものだ。
《余談 》
下取りした古い竿に『菱チューブ』を被せて、新品として売っている業者がいるらしいのでお気をつけあそばせ。