昭和30年代生まれに贈るオンラインマガジン
Update: Apr.2004
愛情モノ語り
お守りのように 大切にしていたの♪
▼ 愛情物語
作詞・康珍化/ 作曲・林哲司/唄・原田知世

赤チン

子供の頃、転んで膝小僧を擦りむくと必ず塗ったのが『赤チン』。塗ったあと、傷口を息でフーフーと乾かすと、痛みも一緒に飛んでいったものだ。

学校で怪我をすると、保健室で『ヨーチン』を塗られることもあって、そっちは傷口に滲みてとても痛いのだった。どちらも、広口のガラス瓶の中の丸めた脱脂綿に染みこませてあり、ピンセットでつまみ上げてチョンチョンと塗るのだ。

『赤チン』の正式名称はマーキュロクロム(水溶)液。その名の示す通り、水銀化合物を含むが、劇薬ではない。公害問題がクローズアップされた1970年代の始め、製造工程での有機水銀の処理方法が問題となった。

折からの採算性の低さと有機水銀のイメージの悪さで生産を中止するメーカーが相次ぎ、 山之内製薬の『マキロン』の登場も衰退を後押しした。生産が禁止されたわけではなく、現在も細々と生産されており、応急絆創膏に塗布した製品もある。

『赤チン』の語源は《赤いヨーチン》だが、『ヨードチンキ』の略称の『ヨーチン』とは別の物質だ。しかも、チンキとは薬品をアルコールに溶かした液体のことで、水溶液の『赤チン』はチンキではない。

膝小僧に『赤チン』を塗った子供を見かけなくなって久しいが、転んで怪我をする子供自体が減っているそうで、道路事情(舗装率)が良くなった事と、外で駆け回って遊ぶ事が少なくなっているせいだという。最近の子の半ズボンは膝丈で、昔のように冬でも半ズボンの子が減ったのも一因だろう。

『マキロン』のマキはマーキュロクロムにちなんだらしい、『赤チン』は死して名を残したが、子供の勲章は消えていくのかも知れない。

▼マーキュロクロム液
赤チン
別名:メルブロミン液
商品情報>>

▼マキロン
1971年発売。

▼応急絆創膏
NIKKO マーキュロバン

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