めばえ
もしもあの日あなたに逢わなければ♪2歳から3歳を過ごした離島、長崎県対馬での人生最初の出逢い。 |
▼めばえ/1963年7月号 小学館の学習雑誌対象年齢1〜4歳 |
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栗饅頭と初めてのおつかい
記憶に残る初めてのお買い物は、近所のよろず屋へのおつかいだ。アルマイトの鍋を持って豆腐を買いに行った。お釣りが要らないように小銭を持たされた、犬にも出来るような買い物だったが、やり遂げて得意になったものだ。 その後もよく通ったらしく(あまり憶えていない)、店の人に褒めてもらった記憶があるが、大人になって地図で調べたら距離にして200mにも満たず、母親の目の届く距離だった。 一方、初めてお小遣いで買ったのは栗饅頭。遊び仲間のお母さんが、皆に十円をくれたので、おやつを買いに行くことになった。他の子は飴玉や駄菓子をいくつも買ったのに、私は十円の栗饅頭一つだった。 仲間内で一番年下のくせに大人びた口調だった私が一点豪華な買い物をしたのが可笑しかったのか、友達の母親が私の母に「小さいのに感心ね」というような事を報告したらしく、その話は我が家の語り草となった。 自分が親になって分かったことだが、小さな子供にお手伝いをさせるのには愛情と忍耐が必要だ。お膳立てをして安全を確認し、根気よく待たねばならない。褒められるべきは母親だったのだ。 そして、ことあるごとに栗饅頭の一件が語られ、笑われるのが嫌で仕方なかったのだが、今にして思えば微笑ましい自慢話だったのだろう。「親の心子知らず。子を持って知る親の恩」だ。 《余談》 お菓子屋の場所は、厳原の街から陸上自衛隊駐屯地に向かって、現在の厳原税務署(当時は長屋が建っていた)の手前だった。対馬銘菓・加壽萬喜(かすまき)の老舗、渡辺菓子舗だと思う。 おつかいへ行ったのは「あけみ」という店だった。たしか娘さんの名前だったと思う。 |
▼栗饅頭 湖月堂>> 福岡県人にとって栗饅頭のデファクトスタンダード。 ▼目次 クリームキャラメルとスピッツ 若原一郎と紙テープ こだま号と絆創膏 栗饅頭とはじめてのおつかい コンデンスミルクとクリスマス ネギ坊主と水飴 招き猫とサーカス ガーベラとスキムミルク TVと宿直室 うぐいす姫と箱庭 鯛の骨とバナナ饅頭 昭和の生活コラム 総合目次>> トップページ>> |