魔法使いサリー 1966
『日産の サニーの弟 本田カブ』
雑誌連載当初の“サリー”ちゃんは“サニー”で、TV放映が決定してから“サリー”になった。弟のカブはTVが先で、後に雑誌に登場した。
【ストーリー】
人間の世界に憧れる魔法の国の王女サリーは、こっそり人間界へ。ママは応援するが、パパは人間嫌い。サリーを懸命に連れ戻そうとする。
♪マハリク マハリタ ヤンバラヤンヤンヤン
オープニングに『奥様は魔女』のように箒に乗って空を飛ぶがシーンがあったが、本編では飛ぶ事は殆ど無かったように思う。飛ぶと魔法使いだとバレてしまうもんね。
放送開始の日、僕はロシア民謡(一週間や、カリンカ)みたいな主題歌を聴きながら、用意した紙と鉛筆で必死に歌詞を書きとめた記憶がある。懸賞でもあったのだろうか?
懸賞といえば、放映開始の年の元日の新聞にこんな広告があった。「誕生!日産新型1000cc5人乗り大衆乗用車。このクルマにステキな名前を付けてください。入選作には新型乗用車1台と50万円さし上げます」。
同年4月に発売された日産“サニー”のティーザー・キャンペーンだ。応募数の上位は“フレンド”“ポニー”“ポピュラー”“フジ”“ペガサス”。時代を感じさせるチャーム♪な名前だ。
魔法使い“サニー”が“サリー”に変更された背景には「家電メーカーのソニーが既に商標登録しており、大企業の日産には許可したが、アニメーション制作会社には許可が下りなかった」という事情があった。
『魔法使いサニー』はTV放映に合わせてキャラクター商品が計画されていたが、ソニーが昭和31年に“サニー”を複数の「商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務」で出願していた。
家電とは分野が違う『魔法使いサニー』の障害となったのは、“サニー”が【菓子及び麺ぽうの類】でも登録されていたからだ。 この時代に異業種の商標(しかも類似)まで抑えてしまうソニーのブランドを守る姿勢には頭がさがる。
さて、新型大衆車の名称の候補“ポニー”“ペガサス”は、当時米国でポニーカーと呼ばれ大ヒットしたフォード・マスタング(当時の表記はムスタング)を意識してのことだと思うが、“ポニー”で思い出すのは『魔法使いサリー』の「ポニーの花園」というエピソードだ。
外国からの転入生ポニーは、いじめにあう。みんなと友達になりたいポニーは学校の花壇に花を咲かせようと大事に育てるが、ある日いじめっ子に全部ひっこ抜かれてしまう・・
放送当時の僕は転校したばかりで友達が少なかった。冒頭で歌詞を書きとめたと書いたが、その日は母親にも手伝ってもらっている。懸賞ではなく、翌日の同級生の話題に加わりたかったのかもしれない。「ポニーの花園」は最終回以上に忘れられない。
《余談》
サリーの弟、カブの命名の由来には諸説あるが、本田のオートバイ「スーパーカブ」からとったという説がある。
個人的には本田カブの「 英語で【猛獣(熊など)の子供】という意味。小さいエンジンでもパワーがあることをアピールするため命名されました(本田技研広報)」のCubだと思う。
Cubには見習いの意味もあり、ボーイスカウト予備軍はカブスカウトと呼ぶ。