昭和30年代生まれに贈るオンラインマガジン
Update: april.2004
スウィートメモリーズ
過ぎ去った夢だけが美しく見えるのは何故かしら?♪
▼スウィートメモリーズ
作詞:松本 隆/作曲:木村 雅朗 /唄:松田聖子
やさしさに包まれたなら:ボンタンアメ

心の奥にしまい忘れた 大切な箱 ひらくときは今〜♪

オブラートという物がある。現在、薬といえば錠剤、糖衣錠、顆粒、カプセルを思い浮かべるが、かつて薬局で処方される薬の多くが粉薬だった時代にはポピュラーな存在だった。

婉曲な言い回しを「オブラートに包む」と表現するのは、苦い粉薬をオブラートに包んで飲んでいた時代の名残りだ。

大正時代に*日本で生まれたオブラートは戦後しばらくの間、薬用よりお菓子向けの需要が大きかったという。飴やキャラメル、ゼリー等の包装に使われていたが、包装技術の進歩によって姿を消していった。
(*澱粉の薄い膜。それまでは硬質オブラート)

オブラートの製法の発明者の一人は東三河の鈴木菊次郎だが、後に水飴と寒天とを調合した「ゼリー菓子」を開発し、その包装にオブラートを使った。現在も豊橋では全国のゼリー菓子の8割を生産。オブラートで一つひとつ手で包まれるという。

さて、オブラートが誕生した大正時代に生まれ、今でも姿を変えずにオブラートに包まれている菓子がある。『ボンタンアメ』だ。

日本人なら一度は目にしたことがあるはずだ。全国のキオスクに『都こんぶ』と並んでいる。キオスクのかつての母体『鉄道弘済会』の寄附行為(財団法人の約款)にはこうある。

1932年2月25日  床次竹二郎は、金5,000円を出えんして国有鉄道の公傷退職者、永年勤続退職者及びその遺族並びに殉職者の遺族を救済し、鉄道従事員に後顧の憂いがないようにすることを目的とした財団法人を設立するため次の条項を定めて寄附行為をする。(抜粋)

床次竹二郎は薩摩藩士の子で、鉄道院総裁から政治家になった。 犬養内閣では鉄道相を務めている。『ボンタンアメ』は鹿児島銘菓。何かの縁だろうか?

『ボンタンアメ』は砂糖・水飴・餅米で出来ている。発売当時にオブラートが無ければこのような形態で出荷することは出来なかっただろう。ちなみに、似たような成分の柚餅子もオブラートで包まれている。

当初は実用面でオブラートを使用したのだろうが、その食感は味わいの要素として欠かすことが出来ない。食べられる包装紙はエコロジーの観点からも優れている。

『ボンタンアメ』の持ち味は程良い甘さと、ほのかに香るボンタンの風味。今日もキオスクの片隅で、その存在をもオブラートに包み、出しゃばることなく静かに佇んでいる。
ボンタンアメ
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▼やさしさに包まれたなら
作詞:松任谷由実/作曲:松任谷由実
唄:松任谷由実


▼参考資料(ホー ムページ)
株式会社旭光 オブラートの歴史
東邦ガス 東海の味
財団法人 鉄道弘済会

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