昭和30年代生まれに贈るオンラインマガジン
Update: april.2004
「練金術」〜 イミテイション・ゴールド
色がちがう 味がちがう 香りがちがう 値段がちがう♪
戦後、急速に欧米化し、豊かになった食生活。とはいえ、いかんせん資源と経済力が足かせとなっていた。 が、足らぬ足らぬは工夫が足らぬ。 昭和の錬金術をレポートする。
▼ イミテイション・ゴールド
作詞・阿木燿子/
作曲・宇崎竜童/唄・山口百恵
ゴジラと共にやってきた:魚肉ソーセージ

魚肉ソーセージ。その実体は、まぎれもなくカマボコである。

昭和15年に誕生。29年以降に爆発的にヒットした。 理由は量産方法の確立と安い原料の確保であった。

昭和29年、水産庁がマグロ漁業の拡大政策を実施したものの、マグロの消費は伸び悩んでいた。同年3月、遠洋マグロ漁船『第五福竜丸』の被爆事件が起こり、積載していたマグロも放射能汚染された。以後、消費はさらに落ち込み、水産各社は過剰マグロの利用方法を研究した。

それを側面で支えたのが、カマボコをソーセージ状に成形加工するためのケーシングに使うフィルムと、その結索方法の開発であった。結果は実を結び、マグロの身を主成分とした「魚肉ソーセージ」が誕生した。

(*参考文献:全国かまぼこ連合会 「かまぼこ製造の歴史 」)


《試食》
しばらく遠ざかっていたが、記事を書く為に久しぶりに食べてみた。 ソーセージと思ってそのまま囓ってもいまひとつ。試しに串カツにしてみた。

本場大阪に倣って、揚げたてをウスターソースに浸して食べる。これが実に旨い。魚肉故の柔らかさとパリッと揚がった衣が生み出す食感は、獣肉ソーセージには出来ない芸当だろう。

余談だが、知人に聞いて、エリンギを輪切りにして揚げてみたら、まるでホタテの貝柱のように仕上がった。まさに練金術。
▼ゴジラ
昭和29年(1954年)11月、「第五福竜丸事件」をきっかけに発想されたという。『ゴジラ』のポスターには「水爆大怪獣」とある。

▼マグロ漁業
凍結施設をもたない漁船が、氷蔵して持ち帰ったマグロは鮮度が落ち、市場ではよい値段がつかなかった。

▼フィルム
「呉羽化学」のクレハロン・フィルムが開発された。

▼結索方法
クレハロンは結紮が難しく、包装機械メーカー「大森機械工業」が、現在に至る、アルミの金具でのパッキング方法と機械を開発した。食いちぎろうとして、歯を痛めた御同輩も少なくないだろう。

▼カマボコの市場
最盛期、魚肉ハムソーセージメーカ一は200社のうち150社はカマボコ業者だった。

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