BBS昭和の話題 - 掲示板
昭和30年代生まれに贈るオンラインマガジン
Updated 2009/02/21
失恋レストラン  〜まんがの中の憧れの食べ物〜
「片想い」。世の中にこれ程、甘美なものがあるだろうか? 成就すれば見えてしまう現実を、妄想という甘いオブラートで包みこむ。想いのままである。

「絵に描いた餅」。届かぬが故に募る想いは、やがて心の中に至高の一品を作り上げる。

今ほど豊かではなく、海外旅行等、夢のまた夢だった子供の頃。TVやまんがで出会った素敵な食べ物への憧れは片想いにも似て、絵に描いた餅を神格化した。 大人になって、実際に口にする機会が訪れても、断じて彼の君ではない。

これは、憧れの食べ物達への失恋レポートである。
今川焼き
商品情報:今川焼き>>
今川焼き: ブラック団
世の中、知らないほうが幸せな事もある。

1983年1月。東京、山手線の高田の馬場駅前。憧れは脆くも崩れ去った。いや、もはや夢でしかない事に気が付いてはいたのだが、認めたく無かったのだ。

世の中に『今川焼き』というものがあるのを知ったのは、コミック『ブラック団』。昭和43年だった。主人公達が『今川焼き』を買うシーンがあったのだ。

『今川焼き』は僕の知っている『回転焼き』に見えたが、どうもサイズが違うようだった。B5版位の紙袋に5〜6個入っているように見え、買ったあとに事件が起きて袋ごと投げ出すシーンがあり、飛び散る絵からも 『回転焼き』より小振りに見えたのだ。

当時、母親に『今川焼き』とは何か?と尋ねたが、答は返って来なかった。
以来、僕の中では『今川焼き』は一口サイズで、『回転焼き』より美味しいものになっていった。

25年後。団体旅行のスキーバスに乗り込む前の慌ただしい時間に、『今川焼き』の看板が目に入り、ついに出会いが訪れた。実は、実家の九州を離れてから、どうやら『今川焼き』=『回転焼き』だとは気が付いてはいた。が、頭の片隅にあの『今川焼き』を期待する気持があって、足が遠のいていたのだ。それが、買い物の時間の無さに寒さが手伝って、ご対面と相成った。

あの頃10円だったのが100円になっていた。思えば遠くに来たものだ。なにより驚いたのは、カスタードクリーム入りやら、チーズ入りやらのバリエーションがあったことだ。僕は迷わず小豆あんを2つ買った。袋は白い上質のもので、かつての内職で作られたペラペラの袋(薄手の茶封筒のようなタテ筋のはいったやつ)ではなかった。

3才の頃、床屋の散髪代は100円だった。100円玉を手渡すと、サービスでお釣りに10円をくれたので、帰りに回転焼きを買ってもらった(当時は5円で母親のぶんも買えたのかも知れない)。なので、『回転焼き』から立ちのぼる湯気は、床屋の蒸しタオルの匂いを思い出す。

バスに乗り混んでから、そっと齧ってみた。憧れの『今川焼き』は何処かへ消えてしまったけれど、『今川焼き』は懐かしい『蒸しタオル』の匂いがした。
▼ブラック団
ブラック団
書籍情報>>
昭和39〜41年 週刊少年サンデーに連載。

ネズミが苦手な親分の可藤骨臓(通称カポネ)、金庫破りと料理が得意なタロー、変装と発明の名人ジロー。身寄りの無い三郎少年。
三人組のギャングとそれを追いかける鬼刑事ヒゲトラのドタバタ人情コメディ。
設定が後のルパン三世を思わせる。

▼今川焼き
二重焼き、大判焼き、回転焼き、太鼓饅頭等、地方によって呼び方が違う。 正式名称は今川焼き。

▼食べ物エッセイ・目次
【失恋レストラン】
チビ太のおでん
椰子のジュース
今川焼き
小池さんのラーメン
ポパイのホウレン草
【錬金術】
魚肉ソーセージ
松茸の味お吸いもの
カニカマボコ
シーチキン
シャンメリー
ハウスプリン・ママプリン
【ずっとソバに】
マルタイ・棒ラーメン
マルタイ・これだ
日清やきそば
長崎タンメン
サッポロ一番・味噌ラーメン
出前一丁
明星ラーメン・ちびろく
明星ラーメン・ビーフ味
そばゲッティ
ハウス・シャンメン
王風麺
本中華 醤
寿がきや本店の味
アルキメンデス
【小さなスナック】
ビスケット・クッキー・サブレ
かっぱえびせん
のりたま
源氏パイvsうなぎパイ
冷蔵庫のデザート
クノールスープ
【特集】
ミリンダに会いたい
【チョコっとLOVE】
不二家ハートチョコレート
明治アルファチョコレート
不二家パラソルチョコレート
ロッテ・ラミー
不二家メロディ
明治アポロチョコ
明治チョコバー
チョコ年表
【スウィートメモリーズ】
ボンタンアメ
チロルチョコ
ポン菓子
ハーバード・ビスケット
アイスパイン
ノースキャロライナ
ロッテ・ラミー
バターココナツ/ココナツサブレ

昭和のエッセイ集トップページ
昭和30年代生まれに贈るオンラインマガジンリンク・権利等・編集者プロフィールお問い合わせ掲示板
Since 25 Dec. 2001