昭和30年代生まれに贈るオンラインマガジン
Update: Apr.2005
めもあある図書館
クオレ クオレ あなたは憶えていますか♪
読み返せば消えてしまう記憶の図書館。
▼水曜日のクオレ
山口百恵 [A Face in a Vision]より
作詞・阿木燿子/作曲・来生たかお

当時の記憶を元に書いています。 実際の内容と異なる場合があります。

黒馬物語 シュウエル/読書期間1965〜

小学館・少年少女世界の名作文学・イギリス編4に収録。

年老いた馬が自らの生涯を語り始める。アイルランドの牧場に生まれた仔馬は黒毛で額に白い星があった。ブラックビューティーと名付けられた仔馬は母親と別れることになるが、牧場主の息子に可愛がられて育つ。

ところが、牧場主が投資に失敗し、ブラックビューティーの数奇な運命が始まる。サーカス、戦場・・と、いつ果てるとも知れない流転の旅は続く。 流れついた先で馬車馬として酷使され、ムチ打たれ、朽ち果てようとした時に・・

同じ本に収録されていた『フランダースの犬』のオープニングと『黒馬物語』のクライマックスは相似形で、パトラッシュとネロ、ブラックビューティーとジョーが分かちがたいのと同様、この二つの作品は片方を読むと、もう片方を読まずにはいられないのだった。

動物の視点で書かれた物語の多くは擬人化されているものだが、『黒馬物語』は読者が馬として感情移入してしまうほど、描写が巧みだった。 飼い葉桶、ふすま、はみ・・蹄鉄の意味を知ったのもこの作品からで、読んでるうちに「馬に乗る機会があれば端から乗れるのでは?」と錯覚したものだ。

馬の生涯を描いた形ではあるけれど、ブラックビューティーの人(馬)格は盤石で、置かれた境遇に流されはしない。流転するのは人間達で、それを馬の目を通して書いたことが、作者の馬に対する愛情であり、この物語を名作たらしめている。

黒馬物語
書籍情報:黒馬物語>>

▼少年少女世界の名作文学・イギリス編4
1965年発行
表紙:青い花びん/セザンヌ

ロビン=フッドの冒険/民話
フランダースの犬/ウィーダ
ふしぎの国のアリス/キャロル
黒馬物語/シュウエル
世界の名作文学

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