平和堂貿易 ウォルサム・バキューム/1968年
副賞として平和堂貿易からプリンセス・ダイヤモンドを〜
TVのクイズや歌番組の賞品でステータスの高いモノといえば、腕時計や宝飾品だ。1ドル360円時代の舶来の高級品はまさに輝いて見えたものだ。
世界の翼“パンナム”や信頼の翼“KLMオランダ航空”で行く海外旅行と並んで目立ったのが、平和堂貿易が提供する時計とダイヤモンドだった。
当時の高級腕時計といえばオメガで、今のように多くのブランドは流通していなかった。子供の私が知っていたのはテクノス、ラドー、ロレックスくらいなものだ。
そんな時代に印象に残っているのが、永久の真空時計『ウォルサム・バキューム』だ。平和堂貿易が代理店で、TVCMも流れていたと思う。
『ウォルサム・バキューム』はケースの中が真空で、高い気密性と防水性を誇っていた。当時、アポロ11号で「オメガの時計が月へ行った」というのが話題で、宇宙=真空との連想で余計に印象に残ったのだろう。
70年代の中頃までは平和堂貿易からの副賞として活躍していたと思うが、円が変動相場になった頃から舶来品の有り難みが薄れ始め、『パンチDEデート』や『プロポーズ大作戦』あたりでチソットのペアウォッチが記念品に使われ、『ラブアタック』に平和堂のテクノスが提要されるなど、“スイスの名門”の威光も弱くなった。
平成の“ロマン・かがやく・エステール”と昭和の“平和堂貿易”。彼我の隔たりは大きい。
《余談》
チソット(TISSOT)は現在、本来の発音に倣ってティソと読まれます。