ビーバー/1970年
タレントの優香をビーバーちゃんみたいだと思うのは私だけではないだろう。杉田かおるの子役時代にもそう思った。
前歯の大きな動物は、ネズミやウサギなどいくらでもいるのに、日本人にとって馴染みの薄いビーバーが思い浮かぶのは、エアコンのキャラクターとして脳裡に焼き付いているからだろう。
『ビーバーエアコン』は三菱重工の製品で、混同されやすい三菱電機のほうは『霧ヶ峰』だ。ビーバーのペットネームがついたのは1970年。
同じ頃、ビーバーという名のタレントがバラエティ番組で活躍していた。
タレントのビーバー(川口まさみ)は、67年にニッポン放送で始まったラジオ番組『ザ・パンチ・パンチ・パンチ』のパーソナリティ、モコ・ビーバー・オリーブの一人だ。
当時小学生だった私にとって、TVの『お笑い頭の体操』等で見るビーバーは、今の梨花のような存在だった。モコはワイドショーのレポーター高橋基子、オリーブはのちのシリア・ポール時代しか知らない。
川口まさみの前歯が大きかったかどうかは記憶に無いが、ビーバー=前歯の元祖はおそらく、50〜60年代に放映された海外ドラマ『ビーバーちゃん』ではないだろうか。ビーバーは前歯が目立つ主人公の少年の愛称だ。
ただし、この番組の再放送は記憶になく、知っているのは私より上の世代と思われるので、ビーバーを有名にしたのはビーバーエアコンだと思う。
では、三菱重工はなぜエアコンにビーバーと名付けたのか?
エアコンのキャラクターとしては先輩の日立『白くまくん』
に対抗して、動物のキャラクターが欲しかったのだろう。が、白くま=冷房はわかりやすいが、ビーバーは何の記号? まさか、送風のフラップを前歯に例えたわけじゃないだろう。
三菱重工のビーバーメールマガジンには、ビーバーの由来として、
メルマガ読者のみなさんにビーバーの由来をこっそり教えちゃいます。
三菱重工業のビーバーは昭和44年家庭向けエアコンの前身クーラーを発売した際に登場してはや37年になります!!
カナダ奥地の水がきれいな川にしか住まず、きれい好きで家族思いといわれるビーバー。
最近では「フレッシュエアでVIVAビーバー!!」とささやきながら、
新鮮な空気をみんなのお部屋に届けているよ。
と書いてあるが、いまひとつ腑に落ちない。
三菱重工の会社沿革を見ていて、天啓が訪れた。
1962年 枇杷島工場、名古屋自動車製作所より移管受け。
エアコンを作っている冷熱事業本部は愛知県西春日井郡西枇杷島町にあるのだ。枇杷=ビワ=ビーバー! 元が駄洒落なので説明の歯切れが悪かったのだ。ちなみに、キャラクターの名前は「ビバ男」と「ビバこ」。ビバに拘りがあるようだ。